「今日は派手に泣かせたねぇ……  こっちの教室まで届いて来たよ?  いくらあんたが『秘密の密談』とか勝手に言っても、あんなん聞こえちゃただの『児童虐待』だよ?  いつも思うけど、よく訴えられないね……  小学生相手に真面目過ぎじゃない?  「それはー……性格なんだもん、今更どうしようもならないよ。  確かに、本気になると短気な所見せちゃうのは自覚してるけど、  でも、アタシだって別に泣かせたいからやってるワケじゃないよ。  みんな可愛いから、  ただの考え無しの子だって「本気で打ち込んでごらんー」て、笑って許してあげてるよ?  無難な事言ってる子にも「大きな夢持っておくといいよー」ってエール送るし、  それに、一応みんなにあらかじめ「この話は、2人だけの秘密だよ」って言ってはいるけど  アタシ自身が言いふらすような事は絶対しないだけで、  子供達が勝手に話回る分には別に気にしないもの。  悪者が出るとしたら、アタシだけなんだしね。 「いやいや、そういうことじゃなくてさ……  あんな本気で泣かせてたら、何やってるかみんな知らなきゃとっくに大問題だよ?  『児童と一対一で夢について本気で話し合いたい!』って毎回言ってるから、  先生方は理解してくれてるけど……  何でそんなに本気なの? 「ん〜……あんまり言いたくは無いんだけどね、  あなたにはいつも世話になっちゃってるから、……特別に、ある昔話をしてあげる。 ――むかしむかし――  真面目に『アイドル』になりたいって発言したら先生に大笑いされて、  それがきっかけで、以後いじめられていた、とある小学生のお話―――― 「……それって……あ「「まぁ!高槻はちょっと寂しがり屋だけど、強くてとても良い子だよ!  無茶しすぎないかどうか心配だけどね。    ともかく、あとは信じる事しかしないけど   その夢が、実現する夢であるように――――